先月新規でマフラー洗浄したお客様から再度依頼がありました。
今度は別の営業所からです。
依頼内容は走行中DPR異常 エンジンチェックランプ点灯でした。
車種は日野 プロフィア トラクターヘッド 平成27年式 エンジン形式 E13C 走行距離777,723km
診断結果です。
早速分解していきます。
DPR(ディーゼル粒子状物質還元装置)は、現代のディーゼル車に装備されている排出ガス浄化システムの一部です。このシステムは、PM(微小粒子物質)やNOx(窒素酸化物)など有害な排気ガスを効率的に除去する役割を果たしています。
しかし、長期間使用するとDPRマフラーが詰まり始めることがあります。詰まりが生じるとエンジンパフォーマンスが低下し、燃費も悪くなってしまいます。そのため定期的なメンテナンスが非常に重要です。
SCR点検について
SCR(Selective Catalytic
Reduction)は排出ガス浄化技術の一つであり、特にディーゼルエンジン車両において効果的な排出ガス低減手法として広く採用されています。SCRシステムは窒素酸化物(NOx)を還元剤である尿素水溶液(DEF)を使用して分解し、無害な水と窒素へと変えることができます。
しかしながら、SCRシステムの適切な動作は定期的な点検とメンテナンスに依存しています。
SCR点検は車両の重要な部分であり、適切な性能維持や長寿命化に不可欠です。
まず最初に、SCRシステム内部の主要コンポーネントを確認する必要があります。これらは尿素タンク、尿素供給ポンプ、触媒コンバーター(カタリスト)、NOxセンサーおよび制御ユニットです。これらすべてのコンポーネントが正常かどうかを確認するために定期的な点検が必要です。
また、SCRシステム内部では尿素水溶液(DEF)も重要な役割を果たします。 DEFのレベルや品質も定期的にチェックする必要があります。
DEFタンク内の液位が適切かどうか確認し、汚染や凝固物が存在しないことを保証します。
さらに重要な点検ポイントは、NOxセンサーと制御ユニットの動作です。これらはSCRシステムの正確な制御を担っており、適切に機能することが重要です。定期的にNOxセンサーや制御ユニットを点検し、必要に応じて交換や修理を行うことで、SCRシステムの効果的な運用が可能となります。
SCR点検は車両メーカーの推奨事項に基づいて行われるべきです。メーカーから提供される点検手順や時期に従って定期的な点検およびメンテナンスを実施することが重要です。
分解点検してみると、溶損の始まりでしたが、軽度でしたので、そのまま再使用です。
DPR洗浄の様子です。
水通しして内部の溶損点検した所、
大量のアッシュ(灰)が大量に出てきました。